受かる参考書・落ちる参考書(受験英語参考書ミシュラン)

大学受験 英語 参考書
大学受験 英語 参考書

受かる参考書・落ちる参考書(受験英語参考書ミシュラン)概要

大学受験英語参考書の大特集! 「限られた時間で最大限の効果を上げろ」が合い言葉。受験参考書の効果的な使い方と詳細なコメント大学受験生が効率よく大学に合格するノウハウを大公開! 大学受験を効率的に遂行するための受験英語参考書ガイド難易度使い勝手、そして、使う側の性格による向き不向きまで考慮し、受験生ベスト英語参考書選ぶための指針提示します。

 
 

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英語オタク御用達のマニア本

英文解釈のマニア本

  • 『英文解釈教室(旧版)』(研究社出版)
  • 『英文読解講座』(研究社出版)
  • 『英文解釈その読と解』(駿台文庫)

『英文解釈教室(旧版)』(研究社出版)

受験生のレベル 英語オタク/伊藤教の信者
特徴 毒にも特効薬にもなる劇薬的参考書
   

英語オタクの受験生のバイブルと言えば『英文解釈教室』(研究社出版)をおいて他にはない。僕らが受験生の頃から、『合格体験記』には必ず登場していた伝統ある参考書だ。

この参考書の特徴は、『英文解釈教室』をやったから超一流の大学に合格できると言うのではなく、超一流大学に合格する実力があるからこそ、使いこなせるのだ。つまり、この参考書を使いこなせることが、受験生にとっての、「ダイナースのゴールドカード」的なステイタスを与えてくれるようなものである。

また、英語オタクに「どうしても使ってみたい」と思わせる威厳のようなものもある。今では数少ないハードカバー。小さな活字。理論的な(小難しい?)解説。必要以上?に使われている専門用語。英語オタクの受験生にとってはたまらない魅力だ。

この本を使える受験生は使って欲しいけど、途中で止めると言う選択肢も残しておかないと、他の教科に影響が出てしまう。また、リファレンス用としても使えるので、他の参考書の説明で満足しない場合、その個所だけこの本を参考にするといった使い方も、1つであろう。

自分で使えると思った受験生だけ使ってほしい。そういう受験生にとっては、一生心に残る参考書になってくれるであろう。

むやみにこの本を推薦する先生もいるけれども、鵜呑みにしてはならない。そういう先生の言うことを真に受けて、実力も伴わない段階でこの本をやり遂げようともがいてしまうと、他の教科に影響が出てしまう。こういう無責任な人間がいるから、この本が悪書になってしまうのだ。

なお、二つの頂点―『英文解釈教室』と『ビジュアル英文解釈』に、『英文解釈教室』に付いて書かれた論文が掲載されているので、興味のある方はご覧になってください。

『英語長文読解教室』(研究社出版)

受験生のレベル 『英文解釈教室』を終了した英語オタク
特徴 毒にも特効薬にもなる劇薬的参考書
   
『英文解釈教室』に飽き足らない受験生が、続編として使う英文解釈の参考書。

ただし、『英文解釈教室』で挫折したものが多いためか、知名度も売り上げ数も、『英文解釈教室』には及ばない。『英文解釈教室』で身につけた構文至上主義の更なる発展を望む受験生向けの参考書である。

ここまではまれば、英語に関しては心配はないであろう。ただし、他の教科との兼ね合いを考えないと、もしくは入試科目を考えないと、受験生としては勝者にはなれない。

『英文読解講座』(研究社出版)

受験生のレベル 構文至上主義の受験生/家庭教師をしている大学生
特徴 英文より解説の方が難しい?
   
英文よりはるかに難しい日本語の解説が、英語オタクの受験生のやる気をそそる参考書だ。使用されている英文くらいなら問題なく読めるが、更にその英文に対しての理解のために、使うべき参考書だ。

また、最近出版された参考書に比べて、専門用語がたくさん出てくるので、家庭教師をしている大学生が見栄を張るのには良いだろう。「難しかったかな?  それじゃこの説明だと分かるかな?」と、わざと専門用語を最初に使って小難しく解説して、その後で普通の説明をすれば、「僕の先生はすごいんだ!」と生徒の見る目も変わってくるはずだ。

ただ、あまり小難しい説明ばかりしていると、オタクみたくて気持ち悪いとか、理屈っぽいとかか嫌われる可能性もあるので、生徒の性格を見て、さじ加減が大切なのは言うまでもない。

『英文解釈その読と解』(駿台文庫)

受験生のレベル 英語オタクかつリベラルな思想の持ち主
特徴 現代文の参考書並みの内容に付いての解説
   
解説は構文理解と内容理解の二本立て。

構文理解の解説は「硬派」の部類。いかにも昭和に出版された駿台文庫と言う印象が強い。受験生としてそれなりの知識のあるものにとっては、知的好奇心を満足させてくれる解説になっている。さすが駿台文庫と言うところだろう。

さて、この参考書を「マニア本」に分類した理由は、内容解説に重きを置いたからだ。解説の目玉となる内容理解では、英文の内容に関して、現代文の参考書並みの解説がなされている。この解説に付いて、「作者の見識が素晴らしい」とか「感動の連続」とかの感想が、僕のもとに多数寄せられている。いかにも受験英語を離れた感じで、「学問」していると言う感じを与えてくれるからであろう。

ただ、この内容解説は、思想的に受け入れない受験生にとっては、苦痛以外の何者でもないことは確かだ。いくらが高くとも、思想的に同意できないと感じたのなら使わない方が無難である。ストレスが溜まるだけだ。

まぁ、一言でまとめるならば、賛否両論別れるマニア本の真骨頂のような参考書である。個人的には、みんなが無難に使える参考書よりも、僕は好きである。

この本の感想に付いてはこれくらいにして、一言いっておきたいことがある。

現代文の勉強がおろそかにならざるおえない現役や受験生(特に理科系)が、この参考書の内容理解の文章に付いて、感動を覚えるのは多いによいことだと思う。その知的好奇心をずっと持ち続けて欲しい。そういう知的好奇心は、人が教えてどうにかなると言うものではないからだ。

ところが、大学2年生以上になって、この解説に「感動」しているようでは、「?」である。解説に勘当すると言うことは、書いてある内容をまったく知らないから感動するのであって、「大学に入ってからいったい何をしていたの?」と僕は言いたい。特に文科系の学生に対してね。付け加えるなら、「もう少し本を読めよ」って。

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